「『選択必修』である精神科を,病院独自の『必修研修』として示している研修プログラム」が目立ちますが,なぜですか?

確実に研修プログラムの到達目標を達成させるためです。

平成16年度から始まった医師臨床研修制度の見直しの動きを踏まえて,研修プログラムについて協議会で検討を重ねた結果,「精神科」を必ず研修することで「研修プログラム到達目標を達成」させることが望ましいと考え,現在のような研修プログラムを県内の多くの研修病院が採用したためです。
なお,研修病院によっては,これらの研修期間を2週間から1か月以上と設定していたり,麻酔科を必ず研修することにしているプログラムもあります。
医学生の皆さんは,様々な研修プログラムを自分の目で確認し,自分の望む研修ができるかを見極めてください。

本土内で「地域医療」研修を選択したいのですが,どのような研修プログラムがありますか?

多彩なプログラムがあります。

県都の鹿児島市以外にある県立病院等の地域の中核的な医療機関を「地域医療」研修施設としていたり,沖縄県(浦添総合病院)等の県外施設で「地域医療」研修を行う研修プログラム,本土内診療所(クリニック)で往診等をはじめとする「地域医療」研修を行う研修プログラムなど,多彩なプログラムを用意しています。
詳細については,臨床研修病院パンフレットや,各基幹型臨床研修病院のホームページ等を参考にして,病院見学や説明会などで担当者にご確認ください。

離島の医療機関で「地域医療」研修が設定されている研修プログラムはありますか?

もちろんあります。

鹿児島には有人離島が26あり,そのうち15が無医島です。
鹿児島県内のほぼ全ての基幹型臨床研修病院で,「離島医療機関での『地域医療』研修」が選択できる研修プログラムを準備しています。
離島での研修を大別すると,(1)「離島医療をたっぷり満喫して研修するもの」と,(2)「短期間(1~2か月間)で,離島医療を研修するもの」があります。

(1)の代表的なものは,離島の基幹型臨床研修病院で研修するプログラムです。

一方,(2)は,「ドクター・コトー」のモデルになった「薩摩川内市手打診療所」や,世界遺産の島「屋久島」にある「栗生診療所」などで研修するプログラムです。このほかに,与論島などの離島診療所で研修するプログラムもあります。

また,奄美大島の南端にある「瀬戸内町立診療所」では,診療所の診療だけでなく,加計呂間島や請島,与呂島へ巡回診療バスや専用船で出かけるユニークな診療経験を積むことができます。

私は,将来,特に「〇〇内科(外科)」の専門医になりたいと考えているのですが,対応できる研修プログラムはありますか?

場合によっては可能です。でも,まずは,「医師力」・「人間力」を培って!

医学生の現段階で,明確な自分の将来の医師像を持っていることは,素晴らしいことです。
「早く,特定診療科の専門研修を受けたい」と思う方は,希望する診療科によっては,2年目の地域医療研修(1か月)を終了後(通常は5月)から特定診療科で最大11か月連続して研修することが可能な「初期臨床研修プログラム」を提供できる場合があります。詳しくは,各基幹型臨床研修病院の研修プログラム責任者等にご相談ください。

ただ,初期臨床研修の2年間は,医師としての基本的な姿勢(患者,コ・メディカル,同僚医師などと良好な関係を築くための医師としての態度など)を学び,いわゆる「医師力」や,医師としての「人間力」を養う大事な時期だと言われています。
また,この時期は,将来の「特化した診療科目・技術」の研修・修練に備えて,基本的な知識・技術(初診患者の診察や検査計画等の策定,診療録の記載,殺菌や消毒の実践,結紮(けっさつ)など)の確実な修得が必要な時期です。
初期臨床研修の2年間に,このような修練を地道に積み重ねていくことが,結果的には専門診療科の専門医になるための近道になると思います。まずは,焦らずに,志を胸に秘めながら,足元を踏み固めることをお勧めします。

2年間の臨床研修修了後,鹿児島県内に引き続き専門研修医として残ることはできますか?

もちろんできます。

鹿児島県内で初期臨床研修を修了した研修医の7割以上が,そのまま鹿児島県内で専門研修医として勤務しています。
また,地元の鹿児島大学病院・医学部の各医局に入局する方が最も多いようです。